「女性起業家インタビュー」vol.11 株式会社SUSTAINABLEME 後藤友美さん

財務省近畿財務局・京都財務事務所×ブルームマネジメントのコラボ企画、「女性起業家インタビュー」です!

プロフィール
後藤友美さん 
株式会社SUSTAINABLEME 代表取締役
女性医療・更年期専門作業療法士として医療現場にて約20年のキャリアを積む。
ドイツ・フランスでの留学経験を経て、2021年に株式会社SUSTAINABLEMEを設立。
働き世代が直面しやすい女性ホルモンにまつわる不調や更年期離職などの社会課題の解決に取り組む。

公式ウェブサイト:株式会社SUSTAINABLEME

地道なようですが、必ず、影で見てくれている人がいます。

−起業のきっかけをお聞かせください。

私は長い間、周産期・女性特有癌疾患・その他女性特有の不調といた女性医療の専門作業療法士として臨床に従事してきましたが、自身の妊娠出産や性ホルモンに関連する不調、そして多くの女性たちとの関わりの中で、病気になる前にできることがもっとあるのではないかと考えるようになりました。

特に、働き世代が直面しやすい女性ホルモンにまつわる不調や更年期離職などの社会課題に直面し、これらの課題をビジネスで解決しようと2021年に株式会社SUSTAINABLEMEを設立しました。私たちは、「女性も男性も性ホルモンにまつわる不調によってキャリアや夢をあきらめることなく、一人一人が健やかに過ごせる社会の実現」を目指して事業を展開しています。

−フェムテック市場の規模はここ数年で広がっているように感じますが、その中でもなぜ更年期にスポットを当てられたのですか。

女性医療の専門作業療法士として働く中で高齢出産した人の産後不調が多かったことから、若年層よりも中年層のケアにニーズを見出しておりました。一方で、フェムテックの多くは生理や妊娠に関するソリューションビジネスであり、更年期にスポットを当てたサービスが少ないため、これはビジネスチャンスだなと感じました。

−最近では、男性更年期のケアにも力を入れていらっしゃると伺いました。

はい。更年期障害というと、一般的には閉経の時期を挟んだ前後数年ずつの約10年間におけるホルモンの変化によって引き起こされる様々な症状や悩みのことをいうのですが、昨今では男性にも更年期があるといわれております。男性も40歳くらいを境に性ホルモンの減少があり、最近元気がない・覇気がなくなってきたなというのも男性の更年期障害かも知れません。

−なるほど。性ホルモンの減少にまつわる症状や不調は男女問わずありそうですね。

更年期症状が原因で離職したり、休職や配置転換を余儀なくされたりすることを「更年期ロス」というのですが、この更年期ロスは女性より男性の方が1.7倍多いといわれています。これは大きな経済損失にもつながりますから、対処すべき課題だと認識しております。

−問題解決のためにどのような取組をされていますか。

課題解決にはまず知ってもらうことが大切だと思っておりますので、今は、セミナーなどを通じて啓蒙活動に力を入れています。今後は、市販のウェアラブルデバイスとペアリングが可能なアプリを開発し、ウェアラブルデバイスから取得したヘルスデータを元に必要なアドバイスやメディカルケアの紹介ができるようなサービスを提供していきたいです。

−売上を上げるためにやったこと。また、一番効果的だったことは?

コンセプト整理とSWOT分析。これは今でもやっています。また、人脈拡大。これがとても大事だと思います。様々な人と知り合い、自分の思いを常に言葉にする。人に伝えることから全ては始まると思います。

−商売はやはり人とのつながりですものね。

はい。また、フェムテックは確立された市場ではあるもののやはり黎明期であるといえるため、売り先としては、大手企業の方が入りやすいと感じています。大手企業は資金力があるだけなく、ダイバーシティや女性の働きやすい環境作りを標榜していることが多いためです。

−他に気をつけていることはございますか。

また、展示会に出展する際には、常に「見られている」という意識を持つようにしています。例えば、どこの企業よりも早く来て準備をするとか。地道なようですが、必ず、影で見てくれている人がいます。実際に、展示会の来場者ではなく、同じ展示会に出展していた他の企業さんからお仕事の依頼を受けたことも多々あります。

−素晴らしいことですね。では、創業を決めた時の家族の反応はいかがでしたか。

両親も娘も応援してくれました。私は母子家庭で娘を育てているため、起業して経済的に安定するかどうかが一番不安でした。両親も起業に関してはその点を心配していました。ですが、「人生一度きりの人生。やりたいことをやりなさい」と応援してくれています。ただ、出張が重なる前には娘のご機嫌取りをしていますよ(笑)。映画を見たり、カフェに行ったりと。

−経営をされていて、辛かったことや予想外のトラブルを聞かせてください。

辛かったことといえば、ひとり起業なので誰に相談すれば良いか分からなかったことです。こんなことで相談しても良いのか?と、自分で本を読んだりインターネットを検索したりして起業に関する事務作業は全てひとりで行いました。

−設立登記も全てお一人で。

はい、そもそも誰を頼っていいのかも分からなかったんです。特に具体的な事務処理について知る場所が欲しかったですね。起業を目指す人のコミュニティがあれば良いなと思っております。

−起業してからの悩みや課題はございますか。

資金繰りですかね。自己資金で創業したのですが、今後、アプリ開発などを行うにあたりまとまった資金も必要になるかと思いますので、融資や出資も視野に入れております。あとは、人材の問題ですかね。

−人材の問題ですか。

はい。私は株式会社SUSTAINABLEMEを立ち上げる前に、共同経営を行っていた経験があります。経営に対する思いの温度差や貢献に偏りが生じ不満が広がったことなどから結果的にうまくいかなかったのですが、建設的な議論をもっと重ねていれば違う未来があったかも知れません。そんな経験から、自分が思っている以上に、事業を手伝ってくれるメンバーには丁寧に思いを伝えていく必要があると考えています。

−具体的にはどの点を意識されていますか。

Slackというコミュニケーションツールを使い、情報を共有しています。私も含め、メンバーが今、何を考えているのか。考えの『見える化』に力を入れています。また、毎週木曜日にオンラインミーティングを行い、メンバーの意見や考えを聞く機会を設けています。後、子育てや介護といった個人の抱える事情や悩みが仕事に影響することもあるのでそのあたりもケアできるよう心がけています。

−後藤さんは、「京都女性起業家賞(アントレプレナー賞)」の受賞者でもあります。ずばり、コンテストに入賞する秘訣を教えてください。

一にも二にも練習あるのみです!事業内容のブラッシュアップや資料の見せ方などを含めてひたすら練習あるのみです!もちろんコンテンツに自信を持つことも大切ですが、それが求められているコンテンツなのかの市場調査をしておくとなお良いです。

−プレゼンテーションとビジネスプランの両方を完璧に練り上げていくということですね。

はい、その通りです。

−少し聞きづらい質問なのですが、女性だからビジネスで不利な扱いを受けたことはありますか。

ありますね。とある男性に「ピッチコンテストで入賞するための秘訣は?」と尋ねたところ、「美人でスタイルが良いことだ」と言われ、冗談が本気かは計りかねたのですが、正直がっかりしました。ただ、よく考えるとコンテストの審査員の多くは男性なのでそのハードルを乗り越えないといけないと痛感しています。また、更年期というフレーズを出すと、「あぁ、また女の話か。」という顔をされることもしばしば。

−それはつらかったですね。

いろいろな考え方があるのは事実だと受け止めています。そこで、発想を変え、あえて更年期という言葉を「ミドル層のなんとなく不調」と置き換えました。それだけで、同じ事業内容であっても受け手の反応が変わったので、言い方一つだなと勉強にはなりました。

−最後に、これからの時代に、起業家を目指す女性にメッセージをお願いします。

やりたいことがあればあきらめずにやった方が良いです。チャレンジしないことが最大の機会損失である、と自分に言い聞かせています。失敗は失敗ではありません。最大の失敗は挑戦しなかったことです。人生なんてあっという間です。きっと。夢があるなら挑戦してください。本気の姿を見せると応援者は必ず現れます。

−ありがとうございました。

後藤さんに一問一答

経営する上で一番大切なことは?
常に挑戦

座右の銘
挑戦しないことが最大の機会損失。価値循環。

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最後に一言!
性ホルモンにまつわる不調なくどの年代の人も輝く社会を実現します!

(聞き手:近畿財務局京都財務事務所 上田氏、清水氏、川橋氏 ブルームマネジメント 伊藤

株式会社SUSTAINABLEME
公式ウェブサイト:株式会社SUSTAINABLEME