「女性起業家インタビュー」vol.09 株式会社CAELUM 能勢雅子さん

財務省近畿財務局・京都財務事務所×ブルームマネジメントのコラボ企画、「女性起業家インタビュー」です!

プロフィール
能勢雅子さん 株式会社 CAELUM 代表取締役
大阪出身。京都在住。
航空会社勤務を経て、日本独自の商品を提供し、日本の文化を広めていきたいという思いから起業。
2018年前に嵐山にて、綿菓子専門店「zarame」をオープン。現在は、京都タワーサンド店、東京渋谷ヒカリエShinQsにも出店。
2023年2月には、白餡プリン専門店「福七」をプロデュース。

公式ウェブサイト:京都嵐山の京綿菓子専門店『Zarame』

常に未来からの自分を意識して、今、すべきことを考えています。

−起業のきっかけをお聞かせください。

幼少期から家族で海外旅行に行くなど、外国文化に接することが多かったです。その中で、色んなことを知らないうちに吸収していたのか、いつか自分でお店をやってみたいと思っていました。自分の好きなことを実際にやってみたかったのです。

−なぜ、嵐山で店舗を構えようと思われたのですか。

結婚して京都に住む事になって、より日本の文化を好きになったのですが、観光地の代表でもある当時の嵐山は、同じようなお店ばかりで、それはそれで良いのですが、ちょっと目新しい店舗を始めてみたいなと思いました。

子供が生まれるまでは少し仕事をセーブしていたのですが、出産をきっかけに5年前、「今、やってみよう」と。

−綿菓子専門店「zarame」は京都だけでなく、東京にも出店されています。売上を上げるためにされたことを教えてください。

良い商品をお客様に届けたかったので商品の深掘りと、あえて露出しなかったことですかね。長く続くビジネスをしたかったので、地道にやることを意識しました。その結果、徐々に売り上げが伸びていった感じです。

近江商人のように、「三方良し」を理想としています。会社、お客様、地域、みんながwin-winになれるように意識をして経営をしています。

−地域貢献も、ですか。

はい、嵐山に活気を与えたいと思っています。ちなみに、作りたてのフレッシュな綿菓子が食べられるのは嵐山本店のみなんですよ。是非とも、フレッシュな綿菓子を食べに嵐山に足を運んでもらいたいですね。

また、外国人旅行客にも日本文化も伝えていきたいと思っており、綿菓子のフレーバーも最初は桜、抹茶、八つ橋の3つに絞りました。

−2月には、白餡プリン専門店「福七」のプロデュースもなさいました。

はい、プリンは前から手がけたかったのでお声がけいただけた際にはとても嬉しかったです。白餡プリンは、今までにない食感で、開発するのに2年かかりました。SDGSの観点から、ケースもスプーンも木、包装のシールも紙を使用するなど、こだわっています。嵐山の新しい名物になれれば嬉しいですね。

−ご出産を機に起業なさったとのことですが、起業を決めた時のご家族の反応はいかがでしたか。また、ご家族のサポートなどはございましたか。

創業する時は、娘がまだ2歳で、主人と一緒に始めました。現在は資料作り等のパソコン作業は夫、スタッフの管理等現場の仕事は私と作業の分担をしております。娘は、夫のお父さんお母さんに預けたりしていましたね。朝まで働いたりしていたので、何日も娘と会えない日が続いたりしました。それは辛かったです。

−経営をされていて、辛かったことや予想外のトラブルを聞かせてください。また、それをどのように乗り越えましたか。

色々ありすぎて話し切れませんが・・・実演で綿菓子を配るという東京でのイベントでのことなのですが、イベントの始まる3時間前に、綿菓子機が動かなくなってしまい、どうしようかと思ったことがありました。

なんとか修理ができてまた、イベントも成功したのでほっとしましたが、あの時は肝を冷やしました。途方に暮れず、何とかしようと最後まで諦めなかったのが良かったと思っています。

−他にもございますか。

大変だったのは、スタッフとのコミュニケーションです。催事の際に学生スタッフが来ない時には本当に焦りました。今の時代、労働問題は、企業側に不利なことが多いと感じていますので、飲食店同士、企業同士で何か対策はないか、立ち上がってこの問題を解決していきたいと思っています。

−起業する前にやっておくべきことはありますか。

事業計画をしっかりと立てること。そして、多少のお金は貯めておいた方が良いかもです。あと起業後のシミュレーションをしていました。

例えば、起業したら使う名刺入れを買ってみたりとか・・・笑 後は時間の大切さを意識しています。

−時間の大切さ、ですか。

はい。私は、10年後の自分が今の自分をどうみるのか、どんな言葉をかけるのか、ということをイメージしています。そうすると、今は十分に若いですし、やれることもたくさんある。一方で、人生に与えられた時間には限りがあります。悩んでいる暇はないなと。

−10年後の能勢さんは今の能勢さんに「よく頑張ったね」と言われるでしょうね。

それくらい頑張ってきたし、それくらい頑張ります!

−起業して良かったなと思うことは?

自分の好みのものを生み出し、世に広がっていくのが楽しいですね。そしてその好みのものが社会に大きく貢献できている楽しみがあります。 勤めていた時より休みもなく大変なことも多いのですが、人生に彩(いろどり)ができ、自分が死ぬ時に後悔がないと思えることです。

私はあまりボーッとするのが好きじゃないからかもですが、休みがなくても苦ではありません。

−最後に、これからの時代に、起業家を目指す女性にメッセージをお願いします。

女性は生涯で選択する機会が多いかもしれませんが、諦めずその選択肢を手放さなくて良いと思います。仕事も結婚も子供も諦めず全部手に入れましょう。わちゃわちゃしている人生の方が楽しいですよ!

そして、ある意味、女性の方が起業する決心がつきやすいかもと感じています。人は時には「エイヤッ!」と勢いをつけることが必要ですよ。

能勢さんに一問一答

経営する上で一番大切なことは?
経営者の情熱と経営は組織。経営は一人では出来ないので、スタッフとのチームワークや、業者さん、行政の協力のお陰です。

座右の銘
諦めない事。

京都のおすすめスポット
もちろん嵐山。自然と食べ歩きを楽しめる観光地です!嵐山名店、zarameの綿菓子とfukushichiの白あんプリンはいかがですか。

最後に一言!
お客様に驚きと感動を与え、日本から世界に挑戦する会社です。そしてみんながwinwinに♬

(聞き手:近畿財務局京都財務事務所 田原氏 星野氏、ブルームマネジメント 伊藤

京都嵐山の京綿菓子専門店『Zarame』
公式ウェブサイト:京都嵐山の京綿菓子専門店『Zarame』