起業前には修行しよう – 起業するってどういうこと? vol.08

起業コラムの最後は、起業前の修行のお話です。

修行というと山に籠もって滝に打たれるなんてイメージですが、ここでは起業する事業について予め経験を積もうというお話です。ただし、現場でちょっとアルバイトをしてみるという程度ではダメです。その事業のあらゆることを経験するつもりで働いてみる必要がありますので、敢えて修行と言いました。

経営と管理業務を知る、観察する

例えば、喫茶店を開業したいから喫茶店でアルバイトしてみた、というだけでは喫茶店経営の1割も理解できていません。自分の煎れるコーヒーや紅茶は常連さんにも褒められる素晴らしい味になったといっても、それはせいぜい現場の業務がわかってきたということに過ぎません。

経営は、現場だけでは成り立ちません。来店客を増やすにはどのような広告宣伝が必要なのか、品質の高い原材料はどうやって探すのか、それを安く仕入れるにはどのような交渉をするのか、人を雇う時はどのような手続が必要で、どのような契約書を作るのかなど、経営をするために知らなければならない業務は山程あります。

それらを身につけるには、幅広く管理業務を任されるくらい長い期間にわたり、できれば独立開業を目指していることを理解してくれる経営者の下で修行させてもらうのが一番です。もちろん、言われた業務をただやるのではなく、なぜその業務が必要なのか常に考えながら働きます。

業界の空気を知る、観察する

また、こうした修行をする中で、その「業界の常識」を身につけることができます。業界によって、初めて会う人との挨拶の仕方から、様々な交渉の仕方や、値段呈示のタイミングや、契約の結び方まで、様々な「業界の常識」があります。起業前にそれらを身につけておくと、起業後の苦労が少しは少なくなると思いますよ。

じつは、私は修行なしで税理士事務所を開業して大変苦労しました。税法は徹底的に勉強してから開業したのですが、お客様にいつお金の話をして良いのかわからなくて、税務相談を受けても受けても1円にもならないなんて日々が続き、ホント泣きたかったことがあります。すっかり懲りて、先輩の税理士に教わり、今はお金のお話をきちんとして、お客様も私も納得の上でお仕事をさせていただいております!