【起業に不安はつきものです】公認会計士・税理士 伊藤弥生

起業したいけれど失敗が恐いという起業によくある不安ですが、新しい事へ挑戦する以上、起業に不安はつきものといえます。

起業を目指す人からは様々な不安が寄せられます。今から自分が勝負していく市場は十分に売上が見込める市場なのか、同じ事業で成功した人はどうやって成功を掴んだのか、逆に失敗した人はなぜ失敗したのか等々。

これらの不安は全て情報不足が原因です。起業にあたって情報は非常に大切です。

例えば、飲食店を始めるにあたって大切なのは立地です。料理の味でもお店の内装でもなく、成功するか否かは立地でほぼ決まってしまいます。これは飲食業界の常識ですが、この程度の情報さえなく飲食で起業したらまず失敗します。

ということは、発想を転換すると、情報不足で不安になるのは失敗を回避するチャンスといえ、不安が解消するまで徹底的に情報収集すれば失敗を回避し成功に近づくことができるといえます。

起業しようとしている業種で働いてみる、その業種の先輩経営者の話を聞く、その業種の内情を良く知っている税理士や金融機関のアドバイスを受ける等思い付く限り何でもやってみましょう。

そして、不安の原因のもう一つに、根拠のある具体的なスケジュールがないことがあります。なぜ、今、これをするのか、ということが自分でもよくわからず、自分の行動に自信が持てなくなってしまうのですね。

スケジュールは、まずゴールを設定し、そこに向かっていつ何をするのかを時間を遡りながら順序立てて作っていきます。

例えば11月に飲食店を開業するというゴールを設定した場合、ゴールから遡る形で、開業前のオープン準備に1ヶ月、その前の内装工事に3ヶ月、内装工事に必要な融資を金融機関から受けるのに2ヶ月となります。5月までに物件を確定させて金融機関に相談に行く必要がありますね。このようなスケジュールを立てて行動することで無用な不安を抱かずに起業ができると思いますよ。

公認会計士・税理士 伊藤弥生