今回は起業にあたってどのくらいのお金を用意すれば良いのかというお話です。お金のお話は、ビジネスだけでなく、生活にも直結しますのできちんと考えてから起業しましょう。
毎月の支出、把握していますか?
まずやるべきことは、生活に必要な出費を正確に計算することです。
食費、家賃、光熱費さらには健康保険や年金などの毎月必ず出て行くお金はいくらか、さらに、お盆やお正月の帰省など年に数回突発的に出て行くお金はいくらか、1年分の金額をできるだけ漏れなく正確に計算します。この金額が、1年分の生活費で、起業して毎年稼ぎ出さなければならない最低限の金額です。
次に、ビジネスのお金を計算します。
例えば、1個あたり4,000円で仕入れた商品を10,000円で売り、配送料が1個につき700円かかるとします。この仕入値4,000円と配送料700円は、1個売る毎にかかる費用で、これを変動費といいます。変動費は売上が多くなれば多くなり、少なくなれば少なくなるという具合に、売上に比例して発生する費用です。
決まって出ていくお金を把握しましょう
この他に、売上とは無関係に発生する費用があります。事務所の家賃や光熱費などは、売上がいくらであっても毎月決まった金額が発生する費用で、これを固定費といいます。
起業して12ヶ月間の毎月の売上、変動費、固定費を考えてみましょう。1ヶ月目は10個売れて、2ヶ月目は20個売れてなんて仮定していきます。
例えば、10個売れた月は、売上10万円、変動費4万7千円で、固定費は毎月同じ金額、20個売れたら月は、売上20万円、変動費9万4千円で、固定費は毎月同じ金額です。これを12ヶ月考えて、売上から変動費と固定費を差し引いた1年分の利益を計算します。
この金額が税引前の利益です。ここから様々な税金としてザックリ30%を引いて税引後の利益を計算します。この税引後の利益で、先程計算した1年分の生活費を賄う必要があります。
この計算をすると、1年分の生活費を稼ぎ出すために、結構大きな売上が必要なことに驚く人が多いようです。
起業前にどんなに準備しても、起業直後から順調に売上が伸びることは通常はありません。安心してビジネスに打ち込むためには、起業資金とは別に、売上が1年間0円でも生活できるだけの貯蓄を最低限準備してから起業するのが安全です。