起業後に一番大切なこと – 起業するってどういうこと? vol.02

今回は起業してから一番大切なことのお話です。それは、売上をあげるということです。

起業してビジネスをしていくのですが、このビジネスとは何でしょう?
ものすごく単純に言い切ってしまうと、ビジネスとは元手となるお金を用意してそれを増やすことです。そして、お金を増やす時に、どうしても必要なのが売上です。売上をあげてお金が入ってくること以外にビジネスでお金を増やす方法はないからです。

あなたなら何を『ビジネス』にしますか?

こんな話はどうでしょう。あなたはすごく使い易い画期的な調理器具を発明しました。それを見た友人達は口を揃えて「調理器具なんて必ず使うものだから、こんなに使い易い調理器具は絶対に売れるよ!」と言ってくれます。あなたは、会社を設立し、生産してくれる工場を探して1万個ほど生産し、手頃な価格で売り出しました。さて、その結果は?

どんな調理器具か、値段はいくらか、どこで売るのかなどの具体的な話がないとわからないよ、という声が出るのは承知の上で言いますが、友人達が1個ずつ買ってくれる以外はほぼ売れません。

買う側の立場で考えてみましょう。あなたが調理器具を買うのは、どのような時でしょうか? いつも使っている調理器具が壊れたとか使いにくいとかいう時、つまりその調理器具が必要な時ですよね。必要のない時には買いません。人は必要でない物は、それがどんなに良い物であっても、どんなに値段が安くても、決して買いません。

ということは、どんなに使い易い調理器具であっても、潜在顧客(買ってくれる可能性のある人)は、今その類いの調理器具を必要としている人だけということになり、そもそもそれ程多くの人数は望めません。

もっと、相手の気持ちになってみる

さらに、もう一度買う側の立場で考えてみましょう。あなたが必要な調理器具を買う時にどのような調理器具を買いますか? 全く知らないできたばかりの会社の調理器具と、昔から良く知っている会社の調理器具があったら、昔から良く知っている会社の調理器具を選ぶことが多いのではないでしょうか。

そうすると、そもそも限られた数しかいない潜在顧客の大多数はあなたの会社の商品を選ばないということになります。

以上から、あなたは、第一に、そもそも数が少なく何処にいるかもわからない潜在顧客をどうにかして探さなければなりません。その上で、第二に、その潜在顧客がよく知る会社の商品ではなく、全く知らないあなたの会社の商品を買ってくれるよう説得しなければなりません。この2つの関門を突破してやっと1個販売できます。友人以外の人に1個販売するということが、どれほど大変なことかとおわかりいただけたと思います。

“ええもん”を売るのが大切

そこで、起業する時は、沢山の商品を継続的に買ってくれる得意先を、起業前に見つけておくのが理想となります。それができないのなら、1個あたりの利益額の大きい、高い値段を付けられる商品を扱うべきです。なぜなら、友人以外の人に1個売る苦労は、安い商品でも高い商品でも同じだからです。

良い商品を安く沢山売るというビジネスには誰もが憧れます。多くの人に喜ばれるビジネスですから、理想的なビジネスかもしれません。でも、それはコマーシャルに何億円もかけられる大企業の行うビジネスです。限られた宣伝費しかかけられない個人が起業するにあたっては、少ししか売れなくてもやっていけるよう、自信をもって高い値段をつけられる良い商品や良いサービスを扱うのが、起業で失敗しないコツです。