私は自営業の家庭に育ち、
景気の良いときも悪いときも見てきました。
お金って稼ぐのは大変なのに
なくなるときはほんとに一瞬。
特に商売をしていて人を雇っている場合、絶対にお給料を払わなくてはならないから
景気が悪いときは家族に回ってくるお金は一番後回しで、それどころか、どんどん貯蓄が減っていく。
逆に儲かっているときもお金がないという苦しさを知っているからあまり贅沢もできなくて。
お金はお足。すぐになくなるよ、といいながら
会社の帳簿と家計簿をにらめっこし、お金を数える母の背中に、
将来は絶対お金持ちになって、お母さんを楽にしてあげるね。と常々思ってきました。
今思えば、それほど生活に困っていたわけではなく、
倹約家の家庭に育っただけなのですが、
お金を大切にする家族の姿が子供の私にはお金に困っているという風に映っていたんですね。
そんなこんなで私が一生働こうと決めたのは、
この子供の頃で
家族の力になりたいという気持ちからでした。
そして、大人になって、経済力があれば大切な人を助けられるということを知りました。
一方で、経済力がない故に優しくなれない人もたくさん見てきました。
まずは自分自身を養えるだけの経済力を持って。
経済力があれば欲しいものだってすぐ買えるし。
で、すぐ買えると思ったら物欲だってなくなるし。
おごりだったら躊躇して頼めないけどやっぱり飲みたいなって思う
ブルゴーニュのワインも好きなだけ飲めるし。
そして何よりも
自分自身を養える経済力があれば、
身近な人が本当に困っているときに助けられます。
世の中お金がすべてではないけど、お金がないとできないことは多いです。
経済的な安定を確保し、一番大切な自分自身をしっかり守る。
そしてその上で大切な人を守ることができる。
そこに、経済力をつけるというメリットがあるのではないでしょうか。
クロスオーバーネットワーク・伊藤弥生