今回は、雇用の話です。
会社で人が働く部門を大別すると、生産・販売・サービス提供などで売上をあげる「現業部門」と、経理・総務・人事などの売上をあげない「管理部門」に大別できます。あと、もう一つ、売上をあげる得意先を見つけてくる「営業部門」を別に考えても良いですね。
「現業部門」と「管理部門」の考え方
「現業部門」では、仕事があるのなら、人を雇えば売上が増えますので、雇った人の分だけ人件費が増えても利益は増えます。そのため、起業直後であっても、もし継続的に仕事がとれるのならば「現業部門」の人を雇うべきといえます。
しかし、「管理部門」では、人を雇っても売上は伸びず、雇った人の分だけ人件費が増え、利益は減ります。そのため、売上が少なく、少しでも経費を節約したい起業直後には、人件費の負担が重くて「管理部門」の人を雇えないかもしれません。
ただし、「管理部門」の業務の中でも、売上金額の請求や、請求金額の入金確認をする営業事務は、絶対に欠かすことはできません。売上代金が入ってこないことにはビジネスは回りませんからね。これらの営業事務は、起業直後には、社長であるあなたが担当するはずです。
さらに、起業直後は「営業部門」の人を雇う余裕もないでしょうから、営業活動も社長であるあなたの仕事ですね。
社長はとっても忙しい!もうダメだ~……となったら雇用のチャンス
さて、営業事務を社長1人では回せなくなるほど忙しくなった時が、「管理部門」の人を雇用する頃合いです。この頃には、「管理部門」の人件費があっても利益を確保できるくらいの売上があがっていることでしょう。さらに、「営業部門」の人を雇ってさらなる売上増を狙う時期でもあります。
ところで、「管理部門」の人材は、経理や給与計算の職歴のある人がお勧めです。経理には簿記の知識が、給与計算には労務の知識が必要で、いずれも習得に時間がかかります。これらが最初から備わっている人は即戦力です。
じつは、経理は起業直後から必要ですし、人を雇ったら給与計算も必要です。こういった人材が見つからない時には、社外の専門家にアウトソーシングしてしまうのも一つの方法です。