起業には、個人事業主として起業する方法と、株式会社や合同会社といった法人を設立して起業する方法があります。それぞれにメリットとデメリットがあるので、簡単に比較してみましょう。
手続きのシンプルさか、事業拡大の狙いやすさか
まず、起業の手続ですが、個人事業はいくつかの届け出を出すだけで始められますが、法人は設立手続に手間もお金もかかります。
次に、事業開始後の税務申告ですが、個人事業の場合は経理の経験があれば自分だけでできることもありますが、法人の場合は複雑な申告書を作成する必要がありますので税理士に任せた方が無難です。
このように、法人の方が起業する時も、起業後も、手間やお金がかかります。
しかし、法人の方が、個人事業よりも顧客や金融機関からの信用を得やすいことが多く、事業を拡大するには適しているといえます。
そういったことから、最初は手間もお金もそれほどかからない個人事業として始めて、ある程度やっていける目途が立ったところで法人化するという方法をとる人もいます。
元手となる資金の集め方
さて、個人事業と法人のいずれで起業するにしても、事業を行うにあたり、元手となる資金を用意しなければなりません。この事業を始めるにあたっての元手は、金融機関から借りることはできません。金融機関には創業融資という起業したばかりの個人事業主や法人に対する融資がありますが、それはあくまで元手を用意して事業を始めた人に対する融資です。事業の元手は事業が失敗したら返ってこないもので、必ず返すことが前提の借入とは異なるものです。
ただ、事業のアイデアを公表して、元手を出資してくれる人を募るという方法もあり、コンテストも行われています。魅力的な事業のアイデアだと、元手を出資する人や会社が現れる場合もあります。
ただ、このようなコンテストを目指す人よりも、自分で元手を用意して起業する人の方が数としては多いので、次回のコラムでは個人が自分で元手を用意して起業する場合を前提としてお話を進めていきます。