こんにちは、クロスオーバーネットワークの本村綾乃です。
今回は少し生々しいテーマを選んでみました。私が専門とする許認可からは離れますが、起業する人にとって共通の、そして関心のある話題だと思いますので、取り上げます。
皆さんは、自身が提供する商品やサービスの値段をどうやって決めようと考えていますか?避けて通れない重要な事柄ながら、本当に悩ましい問題です。少なくとも私はそうでした(今もそうです。詳しくは後述)。値決め、他の人がどうやっているか知りたいですよね。けれど、ちょっと聞きづらかったりしませんか?
あ!我らがリーダー 公認会計士・税理士の伊藤弥生先生の起業に関する講義を受講された皆さんであれば、値決めの際に必ず考えておかねばならない要素について学んだはずですね。もちろん、そのポイントはしっかり押さえたうえで、読み進めてください。
相場を知る
やはりマーケティングは必須です。私は独立した当初(←存分に時間がありました)、これから特化していこうと考えている分野の相場については徹底して調べました。
今はインターネットで価格を表示している事業者も多いですから、リサーチは比較的容易ですね。単に価格を比較するだけでなく、エリア、事業者の属性、サービスの内容etc.…分析する要素が色々あると思います。
ただ、インターネット上の調査で注意が必要な点があります。それは、極端に安価な設定をしている業者が多数存在しているために、それらを参考にしていると、知らず知らずのうちに安価なほうに引きずられてしまう恐れがあるということです。
また、行政書士会では報酬額の統計調査が行われていますので、その調査報告も参考にしています。
さらに、最近思い知ったのが、リアルな同業他社の価格やその設定理由も知ったほうがよいということです。つまり、ネットには出てこないナマの情報、です。私の場合ですと、同業の先輩に「この仕事、先生ならいくらで請けますか?どうやって決めますか?」と聞いてしまうことです。今夏、業務量がとにかく多くて納期も極端に短い、しかも月末 という三重苦の案件を通常価格で請けたのですが「僕ならあなたの倍以上の報酬を請求したね。」と言われ、ガックリ来ました(苦笑)。理由も「ああそうか。」と納得いくことばかり。ま、ここまで踏み込むには、相当仲良くなってからでないと難しいようには思いますが。
設定した価格に納得できるか
価格を決めたものの「手間と時間がこんなにかかるのに割に合わない」なんて思いながら仕事を続けるのは、精神衛生上よろしくありません。提供する商品やサービスの価格が掛ける労力や時間にきちんと見合っているか、よくよく考えましょう。このときは、上で調べた相場のことは一旦、横に置いて考えるのがよいです。要は、自分の心に手を当てて聞く、ということですね。私はこのことも結構大事にしています。
エラそうに書きましたが、私は今もまだ値決めに苦労しています。これは行政書士の業務の範囲がとても広いこととも関係しています。
私を含め行政書士の多くは専門分野を持っています。その専門分野や一般的な分野については報酬額表を作っていますので、一度決めてしまえば済むのですが、初めて経験する案件(その上ニッチだったりします)が結構な頻度で発生するのです。その度に、それなりの時間をかけて上の「調査と納得」をしますので、一苦労なのです。
まとめ
一般的に、一度決めた価格はそう簡単に変えられないように思います。ですから、価格は納得いくまで吟味して決めましょう。仮に、相場より少しばかり高くなったとしても、それに見合った商品・サービスを提供するんだ!と、設定した価格に自信を持ちたいものですね。
行政書士 本村綾乃