人事評価制度を見直した方がよいケース(社会保険労務士・八幡順子)

こんにちは!クロスオーバーネットワークの八幡順子です。

今回は「人事評価制度を見直した方がよいケース」についてです。

 

【質問】人事評価制度を見直した方がいいのは、どんなときでしょう?
1.公正な評価ができていないとき
2.社員の納得度が低いとき
3.その他
答えは、、、
みなさん、ちょっと考えてみてください。

 

 

【答え】
「業績が上がっていないとき」と私は考えます。

 

社労士になって約20年
いろいろな会社のいろいろな評価制度をみてきました。

 

「公正な評価制度をつくりたい」

気持ちはわかります。私も作りたいです。
ただ、社長や管理職といえど、人間です。神様ではありません。
「人間が人間を公正に評価する」ということ自体が不可能であり、
「公正である」というのは求めても無理。手放すことをおススメします。

 

「社員全員の納得度が高い評価制度をつくりたい」

気持ちはわかります。私も作りたいです。
でも、社員全員が100%納得している制度をみたことがありません。
ある基準を設定し、それによって高く評価される人がいたら、当然低く評価される人もいます。
低く評価された人は、やはり不満に感じるものです。

さきほどの「公正さ」の難しさも相まって、
自分を高く評価してくれない上司への不満なのか、
設定された基準への不満なのか、
全員が100%納得満足という制度をつくることは、難しいようです。
「社員全員の納得度」を求めても無理。これも手放しましょう。

 

では、どんな評価制度をつくればいいのか?
それは、「業績が上がる評価制度」です。

 

業績が上がる評価制度

人事評価制度は、「仮説」です。
「社員が成長すれば、業績が上がるはず」という仮説に基づいて、
会社は人事評価制度をつくります。

 

「公正な評価をするため」でもなく、
「社員全員の納得度を高めるため」でもなく、
「会社の業績をあげる」が目的です。
(会社の業績が上がった結果、昇給や賞与など社員さんの待遇をアップすることができます)

 

会社の業績をあげるために、
「社員が成長すること」にフォーカスを当てるのが、人事評価制度の目的。

 

その制度によって、会社の業績が良くなる方向に社員が成長してくれるのであれば、
公正じゃなくたって、納得度が低くたって、
(ちょっと乱暴ですが)いいのです!

 

逆に、公正な評価ができて、社員全員の納得度が高くても、
会社の業績が上がっていないなら、その制度は見直した方がいいのです。

 

評価制度には、「具体的な行動」を基準として設定する。

自社の業績があがるには、社員はどう成長したらいいのでしょう?
「成長」それ自体は目に見えません。
ですから目に見える「行動」に置き換えて考えることが必要です。

 

具体的にどのような「行動」をとったらいいのか?
業績が上がるであろう具体的な「行動」とは何か?
これをわかりやすく示し、その行動を多くとれるように導く。
これが評価制度の役割だと考えます。

 

社会保険労務士/八幡順子