毎月第3水曜日、エフエム京都にて、結税理士法人ならびにブルームマネジメントでお送りしているラジオコーナー「Blooming Design」に弊社伊藤が出演いたしました。
こちらのコーナーでは、起業を目指す皆さんに向けて、ブルームマネジメントの各士業の専門家より、「起業において何をすべきか」をお伝えしています!
第80回目は、「創業した後に廃業に追い込まれない 管理の方法」についてお話ししました。
ブルームマネジメントとは?
弊社伊藤が代表を務める京都を中心に活動している女性士業の専門家チームです。個人事業主として開業経験のある、幅広いジャンルの専門家が所属。起業を目指すお客様の想いに寄り添いながら、一つの窓口で、創業に必要な各種手続きをスムーズかつ丁寧にサポートいたします。起業に関するさまざまなプログラムや交流会も実施しています!

少し古いデータですが、2016年における中小企業白書のデータによると、創業企業の約7割が10年後も存続しています。裏を返すと約3割が10年以内に廃業しているということです。
廃業と聞いて、まず思い浮かぶ原因は、業績・赤字かと思います。赤字はもちろん危険です。利益が出ていなければ、長く事業を続けることは難しくなります。ただ、廃業の直接の原因は赤字ではありません。
廃業の直接の原因は赤字ではなく、お金が尽きること
赤字とお金が尽きることは異なります。
赤字とは会計上の利益がマイナスのことをいいます。例えば今月600万円で仕入れたものを今月400万円で売ってしまったら、今月の利益は200万円の赤字になります。これに対し、お金の問題は、600万円の仕入代金をいつ払うのか、400万円の売上代金がいつ入金するのかという話です。
今月仕入代金600万円を支払って、来月売上代金400万円が入金するとしましょう。そうするとこの月に限って言えば赤字は200万円だけど、出て行ったお金は600万円となります。よって、赤字は200万円、減るお金は600万円、赤字の金額とお金の動きは一致しないのですね。
これは、黒字でも同じことが起こります。
例えば、今月600万円で仕入れたものを今月1,000万円で売ったとすると今月の利益は400万円の黒字です。この取引は儲かる400万円儲かる取引でした。でも、今月仕入代金600万円を支払って、来月売上代金1,000万円が入金するとしましょう。そうすると今月に限って言えば、400万円の黒字なのに、お金は1円も入ってこないどころか、600万円出て行くことになります。
利益というのは会計のルールに従って計算するのですが、会計のルールではお金が入ってくる時点や、出て行く時点は無視して計算することになっています。そのため、今利益が計上されても、今お金が入ってくる、という訳ではないのです。

廃業する直接の原因はお金が尽きること
廃業する直接の原因は、家賃や給与、仕入代金が支払えなくなることです。支払を約束したお金を払えないと、会社は廃業することになります。その時に、黒字である、赤字である、ということは関係ありません。黒字でも安心ではない、ということですね。
黒字であれば、何ヶ月か経てばお金は増えていきますので、会社の成長には欠かせません。でもここで話題にしている会社を廃業から守るためには、お金を支払うべきタイミングに、支払いに足りるだけのお金を用意しておくことが絶対に必要なのです。そうした準備想定を、資金繰り と呼びます。
会社が生き残るために大切なのは「資金繰り」
資金繰りとは、支払いを確実に行えるようにお金を用意することですね。支払ができれば、会社は存続します。
会社の生き残りのために最も大切なのは、将来いついくらの入金があり、将来いついくらの支払いがあるのか、ということをできるだけ正確に把握することです。そして、入金と支払いによって現金や預金など将来の残高がどう動くのかをできるだけ正確に把握します。
もし、将来のどこかで現金や預金残高がマイナスになるのなら、それは支払いができなくなることを意味します。そのような時は、支出を抑えたり、新たな借入をするなんてことをして、現金や預金の残高が、マイナスにならないようにしなければなりません。
資金繰りをきちんとしている会社が存続していく
支払いは待ってくれません。支払いをするためには、今の手持ちから支払いの時までに入ってくる現金や預金が頼りです。それらをしっかり把握しなければなりません。
規模は小さいけれど優良な会社の社長さんには、決算書の読み方は知らないけれど、資金繰りはもの凄くきちんとしているなんて方が沢山いらっしゃいます。 決算書は会計のルールに基づいて利益を計算するために作成しますが、読み解くには専門の知識が必要です。その知識がなくとも、ある程度の規模の会社までは資金繰りをきちんとすれば、しっかり成長していくことができます。

黒字や赤字、会計のルールで計算する利益は、何に向けて計算しているの?
会計のルールに従って利益を計算するのは、その会社の経営状況に興味のある人達に、経営状況を報告するためです。代表的な人達は、株主、金融機関、国や地方公共団体ですね。
株主は、その会社の経営がうまくいけば配当金がもらえるかもしれないし、株式を高く売れるかもしれません。会社にお金を貸している金融機関は、その会社の経営がうまくいかないと貸したお金が返ってこないかもしれません。国や地方公共団体はその会社が儲けた分だけ税金を払ってもらうことになります。
その会社が、どの程度しっかり経営できているか、が焦点ということであり、さらにいえば、どの人達もその会社だけではなく、様々な業種の会社を相手にする可能性のある人達です。株主は、他の会社の株式を買うこともできますし金融機関は他の会社にもお金を貸します。国や地方公共団体はありとあらゆる会社から税金を徴収します。
このようにいろいろな業種の会社の経営状況を把握して比べる為には全ての会社が、同じ計算方法で利益を計算する必要があります。それが会計上の利益で、決算書に計算過程が詳しく書かれているのです。
まず生き残ることが最優先という場合は、利益よりも資金繰りがなにより大切と言えます。ただし、利益の計算に基づいて計算される税金は資金繰りに影響します。また金融機関は決算書を見て新たな貸付金額を決めますので、利益は資金繰りに直結します。
会社では、生き残るために資金繰りをきちんとしましょう。そしてどんな小さな会社でも税理士がついているはずです。専門的な知識が必要な利益の計算は税理士にやってもらい、税金などの資金繰りへの影響は、税理士に教えてもらいましょう。
さらに会社を発展させようと思ったら、決算書をみた人達から高評価が得られるよう決算書を整えていくことが必要になります。これは公認会計士など、会計の専門家にアドバイスを受けると良いと思いますよ。
まずは資金繰り、次に会計を整え、ご自身の事業を軌道に乗せていってくださいね!
今回は、「創業した後に廃業に追い込まれない 管理の方法」についてお話ししました。
毎月第3水曜日にお届けする起業を目指す皆さんのためのコーナー「Blooming Design」。次回もお楽しみに♪