「未来を創る挑戦者たちへ~異なる立場の掛け算が、新たなイノベーションを生む!~」と題し、4月にオープンしたスタートアップ拠点「ZET-BASE KYOTO」にて行われたピッチ&パネルトークに、弊社伊藤がモデレーターとして登壇させていただきました。
- ゼロから立ち上げる企業家
- 伝統のある家業に新たな息吹を吹き込むアトツギ(若手後継者)
- 大企業の中で新規事業を切り拓く挑戦者
など、「新しいものを生み出す」という挑戦に向き合ってこられた以下5名が集結しました。
- 人羅 俊実 氏(株式会社FLOSFIA 取締役会長/株式会社DriftThinking 代表取締役社長)
- 山本 哲史 氏(株式会社RASCAL’s)
- 芦田 拓弘 氏(林業アトツギ/株式会社あしだ)
- 加藤 剛史 氏(旗屋アトツギ/株式会社加藤健旗店)
- 山田 雄輔 氏(パナソニック ホールディングス株式会社)
それぞれの立場からリアルな経験と想いを語っていただきましたので、一部抜粋してご紹介いたします。

人羅 俊実 氏(写真:右)
(株式会社FLOSFIA 取締役会長/株式会社DriftThinking 代表取締役社長)
世界初のコランダム構造酸化ガリウムを使用した次世代パワー半導体の開発と事業化をリードする。
Q.最初の一歩をどう踏み出しましたか?
A. 必要な能力など何も分からなかったが、とにかく起業してみたかったので、「100人の起業家を感じる(起業家に会う)」ということをしてみました。そして、いくつものビジネスプランを書き、とにかく、起業してみました。挑戦を続けるため、失敗しても死なない状況を作ることは強く意識しました。
Q.辛いと思った瞬間はありますか?どのように乗り越えましたか?
A. 最初の1年は本当にしんどかったです。技術もよくわからない、顔を出したあちこちでダメ出し。次につながる「今」であることを意識することで乗り越えることができました。組織構築でも苦悩し、自分は耐えられることも、仲間が耐えられないことがあり混乱しました。とにかく、仮説を立てて改善していくことで進んできました。
Q.自分らしさを事業にどう込めましたか?
A. 特段意識しなかったです。放っておいても自分らしさが沁み込んでいるイメージです。
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加藤 剛史 氏(写真:中央)
(旗屋アトツギ/株式会社加藤健旗店)
家業である株式会社加藤健旗店の自社ブランド「kiten.kyoto」を立ち上げ、現代の仕事に寄り添う商品を伝統技術ベースに展開。

Q.最初の一歩をどう踏み出しましたか?
A. 業界は衰退しているけれど、作っているものはかっこいいという誇り、昔からお客様を見てきたことで、仕事の意味を知っている、家業の未来は自分次第、と腹を括りました。限られた時間で出来ること&現業の業績を最短で回復させる必要があったため、まずはWEBサイトでの集客の改善に取り組みました。
Q.辛いと思った瞬間はありますか?どのように乗り越えましたか?
A. 自社商品とブランドの必要性を感じて商品開発とブランドの立ち上げを行いましたが、顧客課題・ニーズを起点としたアイデアが浮かびませんでした。それでもまず一歩世に出ることが必要だと信じて、プロダクトアウトにはなりますが、家業のストーリーや技術を伝えられる形のブランド・商品をまず世に出してみることにしました。そこから新たなビジネスや繋がりが出来てきたことで強みを拡張し、次の一手に繋がっています。
Q.自分らしさを事業にどう込めましたか?
A. 家業のストーリーを守ってものづくりを続けつつ、新しいことにチャレンジする攻め方は、必然的に私独自の動きになっていると思います。
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(写真:左から順に、伊藤、人羅氏、山本氏、芦田氏、加藤氏、山田氏)
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- スタートアップとしてゼロからビジネスを立ち上げ、挑戦を続けること
- 後継者として家業を引き継ぎ、もしくは手伝いながら、伝統を守るだけでなく新しいビジネスを創り上げること
- 大企業という大きな組織の中で、新規事業に取り組み、新しい芽を育てること
どのような立場であっても新しいものを生み出すというのは、簡単なことではありません。
未来を創るのは「特別な誰か」ではなく、チャレンジし続ける一人ひとりだということを、改めて感じていただける機会となりました。参加者の皆さまにとって、挑戦のヒントに繋がっていたら幸いです。