【事業を行ううえで“女であること。”との向き合い方#5】その時、何と向き合うのか。(八木香織)

こんにちは。クロスオーバーネットワークの八木香織です。

今回の一つ目のテーマ、「私を変えた1冊」

 

生きていくということ

 

決して多い方ではないけれど、人並みにいろいろな本を読んできました。その度に共感したり、感心したり。でも、私を変えた本を一冊選ぶとしたら、やっぱりこれです。バーバラ・クーニーの「ルピナスさん」。絵本です。読んだことある方も多いんじゃないかなあ。

 

主人公はラン・フィアスという女性。幼いころ、大きくなったら遠い国に行くこと、おばあさんになったら海のそばの町に住むこと、そんな夢をおじいさんに話した時こう言われます。

 

世の中を、もっと美しくするために、なにかをしてもらいたいのだよ

 

夢を実現した彼女がおじいさんとの約束を果たすためにしたこと。それは種を蒔いて町中をルピナスの花でいっぱいにすることだったんです。

 

この本に出会ったのは大学生だった時。将来何をしたいか分からず、就職活動にも身が入らずにいた自分。本屋さんで何気なくこの本を読んだ時、なんだか目の前がぱあっと明るく広がった気がしました。そうか、こんな風に生きていけばいいんだって。

 

もちろん、その時何か具体的にこうしようと思ったわけではないけれど、就職活動をやめて司法試験の勉強を始めたのも、今こうやって自分で事務所を開いているのも、この本に出会ったからかなあって思います。

そうそう、この本の絵、本当に素敵なんですよ。柔らかい色調の中に凛とした美しさが感じられて。今でも時々、本棚から引っ張りだして眺めています。

 

 

では、今回の本題に行きます。テーマは「事業を行う上で、女であることとの向き合い方」

 

もっと向き合う

 

仕事をしている中で自分が女であることを感じることは、やはり多々あります。でも、そんな時心の中で浮かぶ言葉があります。我ながらふざけてるなぁって思いますけど。でもやっぱりこの言葉が一番しっくりくる。

 

女ですけど、なにか?

 

自分が仕事をしている時に、女性性だの男性性だのを感じたとき、相手に対しても、そしてなにより自分自身に対して、私はこう思うことにしている。だって、私は女なんですもの。そこを自分自身深く考えると、物事を、そして相手を見誤ってしまう気がするから。そして、それから自分に話しかける。

 

目の前の物事にもっと向き合うこと。
目の前の相手にもっと向き合うこと。

 

自分が女でも、相手が男でも、しっかり向き合えば、そんなこと関係なくなる。物事も見えてくる。相手にも通じる。

結局のところ、女だからこう、男だからこうということで仕事をしているわけではない。みんな自分自身として仕事をしている。自分自身の感性を仕事に活かせたらと思っているはず。だから、私は自身の性を感じたとき、そう心の中で呟いて、あらためて目の前のものに向き合い直すことにしてるんです。

 

次は、一級建築士の小玉恵美さんです。よろしくお願いします!

弁護士 八木香織