【これからはコロナと一緒に】弁護士 八木香織

緊急事態宣言が解除されました。
皆様はこの二ヶ月近くに及んだ外出自粛生活をどの様に過ごされましたか。
私は裁判もほとんど休廷となり、また色々な打ち合わせも電話やウエブで行っていたので、ほぼステイホーム、正確にはステイオフィス。
直接に人と会うことなく過ごしておりました。
今週から少しずつ来客や外での仕事が入るようになりましたが、感染への不安からか、ぎこちなさを感じています。

 

コロナ発生以来、「三密を避けましょう」という言葉を毎日のように耳にします。
テレビではもちろん、コンビニやスーパーでもひっきりなしにアナウンスされます。
コロナと一緒に暮らしていくための必須のルールであることに間違いありません。

 

毎日このアナウンスを聞いているうちに、はたと気が付きました。
そもそも私たちは「三密」を心地よく感じていたんじゃないかと。
だから、ビジネスにおいても、あらゆる場面で、この「三密」をフルに使って事業を進め、利益を上げてきたんじゃないかと。

 

「密閉」された個室や、手を添えるような「密接」した行き届いたサービスになにやら特別扱いされた気分になり、また溢れるばかりの「密集」では得も言われぬ高揚感。
裏返せば「三密」を求める心理を利用してあらゆるビジネスを行ってきたということ。

 

いろいろ考えれば「三密」だらけ。
名刺交換だってほんとに「三密」。
政府の新しい生活指針では名刺交換はオンラインでと、以前の「密接」した風習は、それこそ「名刺し」されちゃいました。

 

人の心地よいものを提供・提案するのがビジネスであるとしたら、今までのビジネスはコロナによって根底からひっくり返されたことになります。
そして、今までのビジネスモデルがつぶされていく一方で新しいビジネスが、ほんとにこの二ヶ月で次々と生まれてきている。びっくりする速さです。

 

昔の甘い蜜は忘れがたいけど、コロナへの不安が心地よさの感じ方を一気に変えました。
言い換えると、ブランドチェンジがあらゆる生活場面で一気に起こっています。
どのような業種でもこの大きな動きは避けられない。今まで通りにやっていたら、必ず先細りどころか、次の流行が起こったら今度こそひとたまりもない。
今こそ新しい顧客を得るために「三密」をさけた事業形態に変化できるか。
自粛要請が解かれ、自己責任の下コロナと一緒に暮らしていかなければならなくなるこれからがビジネスにおいても正念場、です。

 

と、またとりとめなく感じたことを書きました。
次回からはこのような時代に、どのようにビジネスモデルを作っていけばよいのか考えていきたいなぁと思っています。

 

ともあれ、最後になりましたが、皆様のご健康をなによりお祈り申し上げます。
そして、何か新しい形でまた皆様とお会いできる日が一日でも早く来ることを楽しみにしています。

 

弁護士 八木香織