【合名会社・合資会社って?】(白波瀬未海)

こんにちは!クロスオーバーネットワークの白波瀬未海です。

さて、前回は合同会社の設立が増加しているというお話をさせていただきました。今回はその他の法人についても見ていきたいと思います。雑学としてお付き合いいただければと思います。

 

合名会社?合資会社?

 

合名会社、合資会社は、ほとんどの方にとって聞き覚えのない法人ですよね。残念ながら司法書士業界に入って10年近くなる私も設立登記に携わったことはございません。

合名・合資会社は、持分会社の一種で合同会社と同じ仲間になります。持分会社の大きな特徴は、会社のオーナーと経営者が一致する点です。イメージとしては個人事業主の集合体のような法人という感じかと思います。
同じ持分会社でも合同会社と違って、なぜ合名・合資会社が利用されないかと言いますと、会社の社員(オーナー兼経営者)が会社債務について無限に責任を負うことが法定されているからです。つまり社員(オーナー兼経営者)は、自己の出資の範囲を超えて、文字通り無限に青天井で責任を負います。
それに対して合同会社は、株主会社と同じく有限責任となります。社員(オーナー兼経営者)が会社債務について負う責任の範囲は、自己の出資の範囲となります。

そういった事情もあって合名会社、合資会社の設立は、ほとんどありません。

 

合名会社、合資会社は存在するの?

 

はい、存在します。
ブログをご覧いただいている方の中でお酒が大好きな方、特に日本酒、焼酎が大好きな方は飲むたびに酒瓶のラベルを確認してみてください。私が見つけた合名・合資会社は、今まで酒造メーカーばかりです(笑)

なぜ酒造メーカーが多いのか理由ははっきりわかりませんが推測するに、酒造メーカーは古い歴史があるところが多く、昔は、株式会社、合名会社、合資会社、有限会社しか法人設立にあたり選択肢はありませんでした。株式会社は今と比べ物にならないくらい設立のハードルが高く、酒造メーカーのような家族経営で杜氏さんたちの個人的力量に依存する商売形態には、構成員の繋がり密な法人形態の合名・合資会社が選択され、それが今でも残っているのではないでしょうか?醤油や味噌のメーカーも探せば同じ理由で残っているかと思います。

 

まとめ

 

会社法上の法人は、株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の4つとなります。
そのほかに各法律によって定められた法人がございます。例えばNPO法人や一般社団・財団法人、各士業の法人、学校法人、医療法人などがございます。またこちらについてもお伝えできればと思います。

 

司法書士 白波瀬未海