こんにちは、クロスオーバーネットワークの八ツ元優子です。
今回は、取引先に損害を与えた場合に初動ですべきことを、書いていきます。
以前にも、このテーマで書かせてもらいましたが、初動でどう動くか分からないと「どうしよう」と迷っている間に、日常業務に負われて、初動ですべきことをせぬまま、問題が大きくなった・・・ということになりかねません。
ですので、「取引先に損害を与えた」という状況が発生していない今、或いは、年末年始に少し時間がある落ち着いた状況で、初動ですべきことを、再度、頭に入れて頂きたいと思います。
取引先に損害を与えたという場合に、弁護士が登場するのは、取引先と損害の回復方法について、折り合いがつかない場合です。
こちらとしては、話合いを進める中で、
「そもそも、その損害ってこちらが原因で生じたの?」
「損害の原因は、こちらにあるとしても、取引先から請求されている損害額が多額すぎる」
など納得いかないことが出てきたり、挙句、取引先との話し合いがつかず裁判を起こされたり・・・という事態が発生する可能性があります。
今回は、取引先との話合いをスムーズに進めるため(できれな、弁護士が登場するような自体を避けるため)、とは言え、最悪、裁判になった場合も想定して、初動ですべきことを書いていきます。
事実確認
まずは、事実確認です。
『取引先に損害を与えたらしい』という情報が、取引先或いは自社の従業員から入ってきます。
「早く謝罪しなくては!」と菓子よりを持って取引先にまず行く!
・・・のではなく、逸る気持ちを抑え、事実確認をしてください。
■取引先が被った損害の内容・損害額の概算
■当該損害の原因(こちらが100%原因と言える?)
の2点は、頭を冷静にして確認してください。
取引先との交渉が難航すればするほど、そして、裁判になれば確実に、「事実」、それも証拠に裏付けされた「事実」が大事になります。
損害の有無及びその損害の原因がこちらにあるという事実があってはじめて、その損害に対するこちらの対応が必要となってきます。
謝罪
では、損害が発生、その損害の原因がこちらにあるという事実が確認できれば、全力で、損害の回復に努めます。
損害の回復方法の検討の前に、損害を与えた取引先に謝罪しましょう!
この謝罪で、取引先との交渉の難易度が変わってきます。
私は、弁護士になりたての頃は、「裁判では淡々と結論が出るし、謝罪したところで結論は変わらない」と思っていたこともあります。
しかし、弁護士として、紛争当事者の交渉を代理人としてやってみると、(事実を確認してこちらに非はあるとの前提ですが)、早い段階で謝罪し、損害回復の姿勢を見せる方が交渉はうまくいきます。また交渉のストレスがグッと減ります。
交渉が長引き、さらに裁判になると、損害額に遅延損害金をつけて支払う必要が出てきたり、こちらの弁護士費用がかさんできたり・・・と、経済的にはもちろん精神的ストレスも同時にかかってきます。
こんな事では本業に力が入らないですよね!
まとめ
■事実確認及び謝罪は早く
今回のまとめはこれです。
今回は、法律論というより、その前に基本的なこと(事実確認→謝罪)をしましょう、というお話でした♪
言われてみると、「なんだ、そんな事か」かもしれませんが、初動にしっかり基本的なことをすることが本当に大事です!
弁護士 八ツ元優子