起業ってどういうこと?(公認会計士・税理士 伊藤弥生)

日本では諸外国に比べ起業する人が少ないとはよく言われることです。
その原因についても、様々な分野の専門家が様々な角度から分析しています。

しかし、ここでは、そういった社会的な視点から起業を分析するのではなく、起業するにはどんな準備が必要なの?起業したら何をしなければならないの?という具体的なお話をします。

 

起業スタイル

 

起業には、個人事業主として起業する方法と、株式会社や合同会社といった法人を設立して起業する方法があります。
それぞれにメリットとデメリットがあるのですが、簡単に比較すると、個人事業はいくつかの届け出を出すだけで始められますが、法人は設立手続に手間もお金もかかります。

事業開始後の税務申告も、個人事業の場合は多少の知識があれば自分だけでできることもありますが、法人の場合は専門家に任せた方が無難です。
このように、法人の方が始める時も、始めた後も手間やお金がかかります。しかし、個人事業よりも顧客や金融機関からの信用を得やすいことが多く、事業を拡大するには適しているといえます。
そういったことから、最初は個人事業として始めて、ある程度やっていける目途が立ったところで法人化するという方法をとる人もいます。

 

元手の準備

 

さて、個人事業と法人のいずれで起業するにしても、事業を行うにあたり、元手となる資金を用意しなければなりません。
この事業を始めるにあたっての元手は、金融機関から借りることはできません。

金融機関には創業融資という起業したばかりの個人事業主や法人に対する融資がありますが、それはあくまで元手を用意して事業を始めた人に対する融資です。事業の元手は事業が失敗したら返ってこないもので、必ず返すことが前提の借入とは異なるものです。

ただ、事業のアイデアを公表して、元手を提供してくれる人を募るという方法もあり、コンテストも行われています。元手をどのように用意するにせよ、成功しそうな現実的な事業のアイデアを考えることが大切ですね。

 

公認会計士・税理士/伊藤弥生