【弁護士に支払うお金って?】(八ツ元優子)

こんにちは、クロスオーバーネットワークの八ツ元優子です。

 

「弁護士さんって相談するだけ、高い費用を請求されそう」
「弁護士さんに支払うお金って、着手金とか相談料とかあるって聞いたけど、よく分からない・・」
というお声を聞くことがあります。

確かに、分からないですよね。事件の難しさで、お支払い頂く金額が変わることもありますし・・・。
でも、支払項目(相談料?着手金?報酬?)や大まかな支払基準(経済的利益の5%?8%?)の考え方を知っておくだけでも、「弁護士に相談すると、どれだけお金とられるか分からない」と、弁護士への相談機会を自ら放棄する事態は防げると思います。

 

支払項目

相談料

これは、「一時間5000円」「一時間1万円」など、弁護士に一時間程度の法律相談をする際に発生する支払いです。
自治体の法律相談では法律相談が無料のこともありますし、東京などの法律事務所では「一時間5万円、10万円」というところもあるらしいです。

 

着手金と報酬

例えば、旦那から離婚調停を申し立てられた(離婚事件)、父が亡くなった際の兄弟間の遺産分割協議が必要(遺産分割事件)という事態が発生した場合、離婚事件や遺産分割事件が決着するまで協議・調停・訴訟等の処理を弁護士に任せたい・・・という時、
・事件の処理を依頼する最初の段階で弁護士に支払うお金→着手金
・事件の処理が完了して、こちらの経済的利益があった場合の弁護士に支払うお金→報酬
です。
着手金は、最初に払うお金で、後々、訴訟等で負けようが戻ってこないお金です。
報酬は、事件完了の際、経済的利益を得た場合(乱暴に言うとこちらが「勝った」場合)支払うお金です。この「経済的利益」とは、一番わかり易い例でいうと、相手から慰謝料を300万円支払ってもらう判決を得た場合で、経済的利益は300万円です。相手方から100万円の損害賠償を請求されていた訴訟で300万円の損賠賠償の判決が出て300万円の支払いで済んだ場合、経済的利益は700万円(1000万円―300万円)です。あとは、離婚が成立した場合は離婚自体を経済的利益と考えます。他の事務所はわかりませんが、私の事務所が採用している報酬基準では離婚自体のように経済的利益を算定できないものは経済的利益を600万円と見做しています。

 

顧問料

顧問料は、毎月定額(例えば、月5万円とか月20万円)で弁護士に支払うお金です。
顧問料は、弁護士との顧問契約に基づき支払われますが、顧問契約を弁護士と結ぶのは会社が多いです。
顧問契約の内容にはよりますが、個別の交渉・調停・訴訟は顧問契約を結んでいる場合でも別途の着手金・報酬を支払う必要があります。顧問契約は、相談料を毎回の相談毎に支払わず、毎月定額で支払うというものです。ですので、お客さん目線に立つと、「今月は顧問料に比して多くの相談をしたから得だな」という月や「今月は全く相談しなかったから、顧問料無駄だったかな」という月が出てくると思います。

 

 

では、いくらかかるの?

まずは、相談料、着手金・報酬、顧問料については、弁護士毎に違います。
絶対的な料金基準なるものが、弁護士全員に課せられているわけではありません。
ですので、相談料、着手金・報酬、顧問料は各弁護士が決めます。

 

そのことをご理解いただいた上、私見満載で、相談料、着手金・報酬、顧問料の金額についてお話したいと思います。

相談料については先に書いたとおりです。

着手金、報酬は、私の事務所では、経済的利益の5%、8%とかの一定の基準(享受した経済的利益により%が異なります)があります。
ただ、私は、純粋に経済的利益だけを基準にせず、費やす手間、事件の難易度も考慮します。私の場合、離婚訴訟事件は着手金30万円、遺産分割に関する訴訟は50万円の着手金をベースに決めます。報酬は、比較的、経済的利益を主な基準に決めます。遺産分割訴訟事件で500万円の遺産を得ました・・・となると500万円×8%の40万円をベースに考えます。

 

顧問料は、会社の場合、月10万円前後がスタンダートですかね。ただ、相談があまりない会社の場合、もっと低額の顧問料を設定しているところもあります。
個人のお客さんの場合、月3万円~5万円がスタンダードです。

 

最後に

弁護士に支払う具体的な金額は、相談や事件内容を依頼する弁護士が判断することとなりますが、今回のブログで弁護士に支払うお金の項目や料金の考え方を理解してもらえると嬉しいです。
あと、気後れするかもしれませんが、率直に、相談や依頼する弁護士に前もって「いくらぐらいかかりますか?」とお聞きすることをお勧めします。最初から具体的な報酬額まで確定することは難しくても「こうなった場合、これくらいの金額」とか「こういう基準で算定します」とかある程度の回答や考え方は教えてくれるはずですし、弁護士として、そうすべきと私は思います。

 

弁護士 八ツ元優子