こんにちは!クロスオーバーネットワークの白波瀬未海です。
事業が軌道に乗り、会社が大きくなってくると、営業活動の範囲も全国各地に広がってきます。
本店のある地域のほかに、営業所、支社、支店などとよばれる活動拠点を置くこともあります。
そういった場合に「支店の登記はしなければならないのか」というご相談をよく受けます。
そこで今回は、「支店」についてお話したいと思います。
支店とは?
そもそも「支店」とはどういったものを指すのでしょうか?
書籍等では、支店とは、本店から離れて独自に営業活動を決定し、対外的な取引をなしうる人的物的組織などと解説されています。
本店以外の拠点の呼び名は、事務所、営業所、支社、支店などいろいろありますが、その拠点でどういったことを行うか、その拠点において、決裁権限を持ち、契約の締結を行うことができるかどうかがポイントとなるといえます。
金融機関をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
銀行には各地域に支店があり、支店は、本店に従属する立場ですが、それぞれの支店が独自に営業活動を決定しています。
単に在庫を管理するための倉庫や営業担当者の詰所のような拠点は、支店としての実質を備えているとはいえないので、支店には該当せず、支店登記は不要です。
支店としての実質を備えているかどうかは、会社の判断によるところが大きいようです。
実際にあえて登記をして支店を置くのは、地元の企業や金融機関との取引や公共事業の入札のため、本店とは別の地域に永続的な拠点を置いて営業活動を行う場合が多いように思います。
支店登記のメリット
メリットとしては、先ほども書いたように、その地域に拠点を置き支店の登記することで、その地域で営業活動を行うことが明確となり、地元企業や金融機関との取引や公共事業の入札などが進めやすくなります。
そして、登記した支店に支配人を置いて、支配人を登記し、その支配人の印鑑を法務局に登録することで、本店から独立して支店において契約の締結などを行うことができるようになります。支配人の権限の範囲内であれば、契約などについても本店を通さずにできるので、迅速な意思決定が可能です。
支店登記のデメリット
デメリットとしては、一旦支店の登記をすると、手続きコストを負担することになるので注意が必要です。
まず、支店の登記をする際には登録免許税と呼ばれる税金がかかります。
また、その支店を移転したとき、廃止したとき、さらには商号や本店を変更したときにも登記が必要となり、その度に費用がかかります。
さらに、原則として支店にも法人住民税等の税金が課されます。
また、会社の定款、株主総会議事録、計算書類などの重要書類を本店のほか、支店にも備え置く義務も発生します。
まとめ
営業拠点を登記する支店とするかどうかについては、手続面やコストなどのデメリットも含め、その拠点の役割を検討する必要があります。
でも、支店の設置が必要になるということは、事業がうまくいっているということですよね。そう思うと支店登記のご相談はうれしいものですね。
司法書士 白波瀬未海