【定款とは?②】(白波瀬未海)

こんにちは!クロスオーバーネットワークの白波瀬未海です。
前回に引き続き「定款」についてお話したいと思います。

 

定款の記載事項は?

定款に記載する内容としては、前回挙げた「絶対的記載事項」(法律上、必ず記載しなければならず、記載しないと定款自体が無効となるもの)のほか、「相対的記載事項」や「任意的記載事項」があります。

 

相対的記載事項とは?

会社の基本的なルールは、会社法に規定されています。その会社法に「基本ルールとは別のルールを定めてもいいよ。その場合はちゃんと定款に記載してね」って趣旨の規定がある場合に「相対的記載事項」として定めることができます。
つまり「相対的記載事項」とは、定款に記載をしない限り、その効力が認められないものをいいます。

 

多数ありますが、具定例をあげてみました。

・お金の代わりに物などを会社に出資する場合
・特殊な株式の発行
※弁護士の八ツ元優子さんの【複数人で会社設立!後々揉めないためにやっておくべきコト】でも登場した「取得条項付株式」などです。
・株主総会の定足数や決議要件
・役員の任期の伸長

 

重要な事項ばかりですね。
だからこそ、あやふやにせず、ちゃんと定款に記載しないとダメですよってことですね。

 

任意的記載事項とは?

任意的記載事項とは、会社法上、定款に記載することは要求されていないけれど、記載すれば会社や株主を拘束する事項をいいます。基本的に会社法に違反しない限り、どんな内容でも任意的記載事項となります。

 

過去に上場企業が任意的記載事項として株主から提案された実際の例です。

提案の内容:貴社のオフィス内の便器はすべて和式とし、足腰を鍛練し、株価四桁を目指して 日々ふんばる旨定款に明記するものとする。
提案の理由:貴社はいままさに破綻寸前である。別の表現をすれば今が「ふんばりどき」である。営業マンに大きな声を出させるような精神論では破綻は免れないが、和式便器に毎日またがり、下半身のねばりを強化すれば、かならず破綻は回避できる。できなかったら運が悪かったと諦めるしかない。

 

当然に否決されました。
可決されれば任意的記載事項として定款に記載されることになります(笑)

またこの事件?を受けて、別の上場企業で次のような任意的記載事項の提案もありました。

 

提案の内容:「当社の株主は、「便器を和式とする」という内容の株主提案をしてはならない。」

 

これも否決されました(笑)

 

まとめ

こうしてみていくと、定款に記載する事項は多岐にわたりますね。
どの項目に重点をおいて、どのくらい細かく定めるかは、それぞれの会社の規模、株主の数、出資割合、株主と役員の関係性などにより異なります。
たとえば株主が経営者1人のみの会社の場合は、自由に定款変更もできますので、難しく考える必要はありません。
反対に不特定多数の第三者から出資をしてもらい会社を創るような場合は、細かくしっかりとした定款が必要かと思います。
それぞれの会社に適した定款作成のため、各専門家が揃うブルームマネジメントにご相談いただければと思います。

 

司法書士 白波瀬未海