労働保険(労災・雇用保険)の手続き(八幡順子)

こんにちは!クロスオーバーネットワークの八幡順子です。

会社を設立して、スタッフを雇用した場合には、すぐに手続きが必要な保険があります。
それが「労働保険」です。

あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、「労災保険と雇用保険」のことです。
この2つを合わせて「労働保険」と呼びます。
今回は、この労働保険の手続きについて、ご説明します。

 

 パートアルバイトでも加入が必要なの?

 

はい!加入が必要です。
労災保険は、例えば「たった1日数時間働いてもらうだけ」のアルバイトでも、加入が必要です。
ですので、仕事でケガをした場合、「あなたはアルバイトだから労災保険つかえないよ」ということは絶対あり得ないのです。

雇用保険は、そのスタッフの「勤務時間」によって加入するかどうか決まります。
週のシフトが「週20時間以上」なのであれば加入。
「週20時間未満」であれば、加入できません。

 

たとえば、1日6時間のパートさんを採用する場合、
週3日勤務であれば、6×3で18時間なので、雇用保険は無し。
週4日勤務であれば、6×4で24時間なので、雇用保険加入です。
このように、週の労働時間が20時間以上か、未満かで判断してください。
採用のときに「週18時間」と決めたのであれば、たまたま残業して20時間を超えた週があったとしても、すぐに加入になるわけではありません。
ただ、業務が忙しくなって、出勤してもらう日数が増え、「週20時間以上の勤務」が常態となってきたら、そのタイミングで加入させましょう。

 

保険料はいくら?

 

保険料は、「給料額×保険料率」で計算します。

そして、保険料率は、事業の業種によって違います。
例えば「飲食店の経営」の保険料率は、
労災保険が、3/1,000
雇用保険が、9/1,000 です。(令和元年度)

ですので、基本給18万円+通勤手当2万円の月給20万円のスタッフにかかる保険料は、
労災保険料 200,000×3/1,000=600円
雇用保険料 200,000×9/1,000=1,800円
このようになります。

そして、労災保険料は、全額会社負担。
雇用保険料は、3/1,000が本人負担、6/1,000が会社負担と決められているので、
1,800円のうち、600円が本人負担、1,200円が会社負担となります。

労働保険の保険料率は、毎年に変更になりますので、こちらで確認してください。
厚生労働省HP
労災保険
雇用保険

 

 手続きの窓口

労災保険・・・・事業所の住所地管轄の労働基準監督署
雇用保険・・・・事業所の住所地管轄のハローワーク(公共職業安定所)

 

まとめ

加入の手続きが必要になった場合は、一度窓口に手続きの用紙をもらいに行ってみてください。
業種によって必要な添付書類が違ったり、保険料率が変わったりしますので、窓口で質問してみるのがいいと思います。
そういった作業がめんどくさい、そんな時間が無い、という社長は、迷わず社労士に依頼することをおススメします。

次回は、社会保険の手続きについて、解説します。

 

社会保険労務士/八幡順子