【クレーム対応①初動に気をつけるべきこと】(八木香織)

こんにちは。クロスオーバーネットワークの八木香織です。今回は「クレーム対応①初動に気をつけるべきこと」です。
企業をしていると必ず直面するのが顧客からのクレーム。クレームが入ったら、事実を確認して解決策を示すことになるわけですが、その時に問題になるのが「謝る」という行為。謝り方を間違えると、あとあと大きな問題になってしまう。そこで、今回はクレーム対応で大きな意味を持つ「謝る」ということについてお話します。

 

絶対に謝らない

そもそも、クレームの法的根拠は民法上の不法行為責任。これは、企業側に非があり、それによって損害が生じた場合に、企業がその損害を賠償しなければならないというものです。
ですから、その非を認めるような『謝罪』を安易にすることは、事実の確認をするまでは避けるべきです。

 

でも、まず謝る

こちらの手際の悪さや相手が感じた不満、相手に不快な思いをさせたことに対して、「お手間をとらせて申し訳ありません」「ご不便をおかけして申し訳ありません」「ご不快な思いをさせて申し訳ありません」等としっかりと『お詫び』することは、当然であり、また相手の感情を鎮め、事実の確認をする上でも重要です。

 

二つの謝るを使い分ける

クレームの初期の段階では、まず、しっかりと『お詫び』を伝え、こちらの誠実な姿勢を示すことで、相手方と対話できる関係になる事が重要です。
『謝罪』と『お詫び』の謝るをしっかりと区別して使い分けることで、謝ることで不当な責任を負うことを避けることができ、また謝らないことで不必要に相手方を感情的にさせてしまうことも防ぐことができます。

 

まとめ

今回はクレーム対応の初動においての「謝る」ということに絞ってお話ししましたが、SNSであらゆる情報が一気に拡がる時代、クレーム対応の重要性は非常に高くなり、そしてそれに伴い従業員にとっての負担はどんどん大きくなっています。
経営者はそれらのことをしっかりと認識し、より具体的な対応マニュアルの作成や従業員の研修、カウンセリングなど、万全の対策をする事が必要です。

 

弁護士 八木香織