こんにちは、クロスオーバーネットワークの小玉恵美です。
飲食店の物件探しには２つの選択肢があります。
『居抜き』か『スケルトン』です。
よく耳にされる言葉かと思いますが、『居抜き』とは前のテナントが使用していた内装や設備などがそのままにされた状態の物件、『スケルトン』とは構造躯体がむき出しになった物件の事です。
ではこの二つ、どちらが良いのでしょうか？
『居抜き』と『スケルトン』双方のメリット・デメリットを考えたいと思います。
居抜き物件のメリット
居抜き物件のメリットは大きくは２つです。
①投資費用の節約
②契約から開店までの時間の短縮
経営者にとってはどちらも大きな問題です。
店舗の開店に必要な工事費用は坪40万円が目安と言われています。
工事期間も1～2ヶ月は必要となり、その間にも家賃等の費用は発生します。
初期投資を抑えたい場合は居抜き物件がお勧めです。
居抜き物件のデメリット
では、居抜き物件のデメリットは何でしょう。
①自由度が無い
②前のお店との関連を連想させる
飲食店の心臓部でもある厨房は特に気をつけないといけません。
厨房の広さ・配置はどうか、（何人が厨房に入り、どんな動きが予測されるか）
残されている厨房機器は使えるか（壊れていないか、容量・能力は十分か）、厨房換気扇の容量は適正か油が溜まっていないか（例えば、うどん屋と焼鳥屋では必要な排気量も違います）。
必要な厨房機器の台数・サイズ・配置をきちんと計画した上で物件の検討をされる事を強くお勧めします。要望に添わない厨房の場合、結局全てやり替えとなり、逆に費用がかかってしまうケースもあります。
また、厨房換気扇も臭いや煙の多さによってはダクト先を移動させないといけなくなる場合もあります。これもかなりの費用増となります。
更には、前のお店にマイナスイメージがあった場合、そのまま引き継がれてしまうという事もあります。
スケルトンのメリット
では、スケルトン物件のメリットは何でしょうか。
①自由度の高さ
②建物の状態を目視出来る
理想通りの我が城をつくるのであればスケルトン物件です。
また、壁や天井もありませんので柱や梁、外壁面など建物の状態を直接目視する事が出来ます。ヒビやサビ、雨漏り、水漏れ等が無いか。建物の安全性をご自身の目で確認出来ますので安心です。
スケルトンのデメリット
スケルトン物件のデメリットは、居抜き物件のメリットの逆と言えます。
①費用がかかる
②契約から開店までの時間がかかる
０からのスタートですのでお金も時間もかかります。
居抜き物件を検討中の方へのアドバイス
飲食店にとって厨房の計画はとても大切です。
店舗を作るうえでは、「厨房の墨出し（位置決め）さえ出来れば完成したも同然。」と言うほどに重要視されます。
見るべきは厨房です。
居抜き物件を検討される時にはこの点をお忘れなく。
まとめ
初期投資を抑えたいのであれば『居抜き』
厨房、内装に譲れないこだわりがあるなら『スケルトン』
ご自身のスタンスに合わせて『居抜き』か『スケルトン』を選ばれてはいかがでしょうか。
一級建築士 小玉恵美