資金繰りを確認しましょう!(公認会計士・税理士 伊藤弥生)

新型コロナウィルス感染症に関する経済的な影響を懸念して様々な施策が発表されています。

 

事業者に対しては緊急融資の実施や給付金の支給などが検討されていますが、「売上」の減少が条件となっているものが目に付きます。
例えば、前年同月の売上と比較して売上が50%以上下落したことが条件などという場合ですね。

 

では、今月の売上っていったいどうやって考えるのでしょうか。
一般的な商品の販売では、お客様から注文を受けて(受注)、倉庫から商品を発送し(発送)、お客様が商品を受け取って(到達)、内容を確認し(検収)、当社が代金を請求し(請求)、お客様から代金が入金されます(回収)。

 

さて、今月の売上といったら、今月中に商品を受注した分でしょうか、それとも発送した分でしょうか。
それとも到達、検収、請求、回収のどれを行った分なのか、どれだと思いますか?

 

会計的には、お客様に商品を渡した時点で売上と考えます。
上記の例では、当月中に発送した分または到達した分または検収した分が当月の売上です。発送と到達と検収のどれを採用するのかは、その会社が予め決めておきます。
例えば発送と決めたのなら、全ての月において発送した分を売上とします。

 

ところで、このように代金の回収よりも前に売上を計上しますので、今、売上が下がってしまっている場合、たとえ売上が回復してもすぐにはお金が入ってこないかもしれません。
商売をなさっている人は、この機会に、ご自身の事業の売上がどのタイミングであがっている数値なのかを今一度確認し、代金が回収される時期を正確に把握しておきましょう。

そして、資金繰りの計画をしっかりと立てることが必要です。

 

もし、自分ではよくわからなかったら、顧問をお願いしている税理士に相談すれば手伝ってくれるはずです。
資金繰りに危うさを感じたら、緊急融資や給付金の申請資料も揃えてくれるでしょう。
税理士の顧問料って高いなぁなんて、もしかして日頃思っていたら、こんな時こそ活用しましょう!

 

公認会計士・税理士/伊藤弥生