こんにちは、ブルームマネジメントの八木香織(やぎかおり)です。
前週のブログでは、八ツ元弁護士が契約書について、「とりあえず押印してしまう前に必ず内容を確認すること」がトラブル予防の観点から重要であると述べていました。今回はその続きとして、「内部規程」についてお話しします。

起業してしばらくすると、やることは山ほど出てきます。売上、営業、採用、外注管理、資金繰り。どれも目の前の成果につながるものです。その中で、内部規程の整備、例えば就業規則や賃金規則、決裁権限規定、業務委託管理ルールなどの策定は、どうしても後回しになってしまいます。
しかし、これが大きな落とし穴。トラブルには、内部ルールが曖昧だったことが原因になっているケースが非常に多くあります。 そこで、今回は内部規定の重要性についてお話します。
内部規定は、判断の負担を軽くする
起業家は、日々、判断をしています。「これは認めるのか、認めないのか」「注意するのか、見過ごすのか」。内部ルールがない状態では、すべてその場判断になります。
その場判断は一見ラクですが、積み重なると、過去との整合性が取れず、「前はOKだった」などと言われ「自分の判断に自信が持てなくなる」という状態になります。内部規程は、起業家の判断を軽くする道具なのです。
内部規定は、人とのかかわりを円滑にする
一人で全てをこなしているうちは、大きな問題は起きにくいですが、アルバイトや社員を雇ったり、業務委託を使い始めたりするようになると、それまでの慣習や関係性だけで回すのは難しくなります。
例えば、どこまで指示していいのか、追加作業は有償か無償か、情報をどこまで共有していいのか、辞めるとき何を返してもらうのかといったことも決めていないと、トラブルの原因になります。従業員等とのトラブルほど、起業家を疲弊させるものはありません。内部規定には、人とのかかわりをスムーズにする役割もあるのです。
内部規程は「守り」ではなく「攻め」の準備
内部規程というと、「守り」のイメージが強いかもしれません。でもこれは、安心して事業を拡大するための土台です。人を増やす、仕事を任せる、新しいことに挑戦する。これらをするためには、「何かあっても大丈夫」という状態を作っておく必要があります。
内部規程は、そのための準備です。
今回は内部規定の役割をいくつか見てきました。起業家は、どうしても「今すぐ成果が出ること」を優先します。その結果、後回しにされるのが、内部規程です。ただ、後回しにしたツケは、必ず起業家自身に返ってきます。
こんな時に頼りになるのが、私たち専門家です。一人で考える必要はありません。一緒に整理するだけでも、考えなくていいことが増えます。それはとても価値があることだと思います。気軽に相談してください。
弁護士 八木香織