【起業家の落とし穴!創業3年で厳しくなる会社と残る会社のお金の使い方の違い】(公認会計士・税理士・伊藤弥生)

こんにちは、ブルームマネジメントの伊藤弥生(いとうやよい)です。

創業して数年が経つと、事業を続けられる人と、少しずつ厳しくなっていく人の差が出てきます。2016年の中小企業白書によれば、創業企業の約7割が10年後も存続しています。裏を返せば、約3割は途中で事業を終えています。数字だけを見ると、少し不安になりますよね。

多くの方は、赤字になったら終わりだと考えます。もちろん赤字は続けば苦しくなります。ただ、実際に事業が止まってしまう直接の原因は、赤字よりも手元のお金がなくなることです。

例えば、今月の売上が100万円、利益が20万円あったとします。数字だけ見れば順調です。でも、その100万円の入金が2か月後だったらどうでしょう。今月中に家賃15万円、人件費30万円、外注費20万円を払うとしたら、通帳残高は足りるでしょうか。黒字でも、お金がなければ支払いはできません

残る人は、利益だけでなく、いつお金が入ってきて、いつ出ていくのかを見ています。来月はいくら残るのか。再来月はいくらか。そこまで確認したうえで、この支出は今してよいかを考えます。お金があるから使うのではなく、使った後にいくら残るのかを基準にしています

もちろん、投資は必要です。広告を出す、人を雇う、設備を整える。どれも事業を広げるためには欠かせません。ただ、その30万円の広告で、いくらの利益が生まれるのか。1件あたり3万円の利益なら、10件で回収です。数字にしてみると、感覚よりもずっと判断しやすくなります。

もう一つ大切なのが固定費

家賃や人件費など、売上がゼロでも毎月出ていくお金です。毎月40万円の固定費があれば、半年で240万円が必要です。この金額を意識しているかどうかで、経営の安心感は大きく変わります。

手元資金を固定費の数か月分持つという考え方があります。目的はお金をため込むことではありません。売上が落ち込んだときに、落ち着いて次の一手を考えるための時間を持つことです。

お金の使い方はセンスではなく設計

毎月の固定費はいくらか。今の現金で何か月持つのか。この二つを書き出してみるだけでも、見える景色は変わります。

漠然とした不安は、数字にすると具体的になります。事業を続ける力は、派手な才能ではなく、こうした小さな確認の積み重ねにあります。

公認会計士・税理士 伊藤弥生