【実はこの時期が忙しいんです。】(弁理士・竹口美穂)

こんにちは!ブルームマネジメントの竹口美穂(たけぐちみほ)です。

特許、実用新案権、意匠権、商標権といった産業財産権は、同様のものが先に出願されてしまえば、権利を取ることが出来ません。つまり、「早く出願した者勝ち」なものです。

従って、なるべく早く特許出願等をした方が良いため、お客様が発明等を生み出したタイミングが重なれば、忙しくなります。

 

お客様の状況によって、忙しい時期が変わるのですが、それでも忙しくなり易い時期というのがありますので、そのことを説明させて頂きます。

 

展示会前等

 

特許、実用新案権、意匠権は、発明等が出願時に新しく(新規で)なければ、権利を取得することができません。そして、他者の行為だけでなく、自身の行為によっても、発明等が新規でなくなります。

 

従って、自身が発明品等を展示会(ゲームショーなど)で公表してしまった場合、販売してしまった場合等も、発明等の新規性がなくなってしまい、特許、実用新案権、意匠権を取得することが出来なくなります。

 

このため、発明品等も展示会で公表することが決まっている場合には、公表前に特許出願等を行わなくてはならないため、展示会前が忙しくなります。発明品を販売することが決まっている場合にも、その発売前が忙しくなるということになります。

 

上述したように、発明品等を展示会で公表する場合等、発明等の新規性がなくなる前が忙しいのですが、実は、「新規性喪失の例外」という制度を使用すれば、新規性がなくなってから1年以内であれば、新規性を喪失したことをなかったことにすることができます。

 

もっとも、展示会で公表した行為、商品を販売した行為、雑誌に掲載した行為、等、新規性を喪失した行為全てに亘ってもれなく、「新規性喪失の例外」の適用を主張しなければならず、主張漏れがあれば、特許等を取得することが出来なくなります。

リスクがあるので、「新規性喪失の例外」を主張するのではなく、公表前に出願しておく方がよく、公表前には出願手続きで忙しくなります。

 

年度末

 

年度末(2月、3月)も忙しくなる場合があります。

お客様によっては、年間何件特許出願するといったように、出願を促進するために目標を立てている場合があります。その場合には、目標を達成するために、年度末が忙しくなる傾向があります。特に大企業等がお客様の場合にその傾向が強くなると思います。

 

まとめ

 

弁理士が忙しくなりやすい時期を上述しましたが、お客様の状況に大変左右されやすいのが弁理士の仕事です。駆け出しの頃、上司に「特許等の出願は生ものだからね」とよく言われました。

早く出願しないと腐ってしまうよ、ということです。お客様が発明を生み出した場合には、仕事が重なって忙しくてもなるべく早く出願したいものです!

 

弁理士・竹口美穂