こんにちは!ブルームマネジメントの竹口美穂(たけぐちみほ)です。
起業にはリスクが伴うため、家族に反対されることはしばしばあることだと思います。
①リスクを小さくしたり、発生し難くしたりすること、②上手くいかなかった場合にカバーできる状態にすることで、家族も起業を反対しなくなるのではないでしょうか?
どんなリスクがあるか
(1)起業には投資が必要となりコストがかかる
殆どの場合、起業には、投資が必要となります。
例えば、カフェ等を経営する場合には、テナントを借りたり、テナントを改装したりする等の投資が必要となります。通信販売を開始する場合には、商品を製造・買い付けする費用や、商品を置く倉庫を借りる等のコストが発生します。
起業を失敗した場合に、投資した金額の全額が返ってこない場合があります。この様な場合に、資金を他所から借りると、何も残らない場合かマイナスになってしまうこともあります。専業主婦の場合には夫の収入だけで家族の生活が十分に成り立っている場合が多く、あえてこの十分な暮らしを脅かしてまで起業する価値があるのかと、夫は反対したい気持ちになるでしょう。
(2)今までの収入が一時的になくなるかもしれない
共働き主婦は、今まで収入があってこれが家計に使用されています。起業すると、事業が立ち上がるまでその分の収入がなくなるというリスクがあります。
家計に影響するので、夫は起業に反対したい気持ちになるでしょう。
(3)家族(夫や子供等)のために使ってくれていた時間が減るかもしれない
妻や母が家で一緒に過ごしてくれるということが、家族にとってとても大切な場合があります。従って、妻や母が起業で忙しくなり、妻や母の家族のための時間が減るかもしれないということが、家族にとって大きなリスクになるでしょう。
この様な理由から、夫や子供に起業を反対される場合があるでしょう。また、仕事が忙しく、家事・育児等にこれ以上協力出来ないと夫が考えている場合、起業の説得は難しくなるでしょう。
子供が小さい場合等には、家事や育児の負担が大きくなるため、特に難しくなるでしょう。
リスクを小さくしたり、発生し難くしたりして説得する方法
上記(1)について
まず、起業を失敗しないことが大切なので、失敗しないだけの準備が必要です。
例えば、今まで働いていた職業の延長線で出来ることは、十分なスキルも人脈もあることが多く、起業が成功し易くなるでしょう。また、飲食店の場合には、十分に練られたメニューや料理のスキル等があれば、成功し易くなるでしょう。この様な場合には、家族も説得し易くなると考えます。
従って、起業の準備を十分にして、起業が失敗しないだろうと家族に思われるとよいと考えます。
また、最初に大きな投資をしないことも大切であると考えます。例えば、最初は店舗を構えるのではなく通信販売だけにする、シェアオフィスを利用する、人を雇わなくてよいビジネスモデルを考える等です。
投資額が大きいと、失敗した場合のダメージも大きくなるため、家族も同意し難くなります。最初は小さく投資して、事業の発展とともに段階的に投資をしていく方が、家族の起業への同意を得やすくなるでしょう。
上記(2)について
しばらく収入がなくても、家計に影響がないように十分に貯金をした上で起業するとよいでしょう。
貯金額を示すことで、しばらく収入が十分でなくても、困らずに暮らせることを示すことが出来れば、家族も起業に同意してくれるかもしれません。
また、夫が昇格などして、大きな昇給のあるタイミングで起業するのもよいでしょう。収入が減る分、その昇給額で賄うことが出来れば、夫もまぁ起業してもよいかと考えてくれるかもしれません。
上記(3)について
子供に手がかかるうちは、仕事よりも子供を優先すると決めて、忙しくても優先順位を間違えないと決意し、その決意を家族にも理解してもらえるようにすることが大切だと思います。
家族との時間を十分に確保することを示すために、一日何時間働くか、何時までには家に帰宅するか等の約束を家族と取り決めて、説得する方法があると考えます。
また、夫の家事・育児の負担等を減らさないように、自身や夫の両親等に協力して貰えるようにする、夫の負担を増やさずに暮らしが回るように、便利家電や食材宅配サービスの利用をする等知恵を絞るようして、説得材料にしてもよいかもしれません。
上手くいかなかった場合のカバー方法を提示して説得する方法
上記(1)について
撤退のときを間違えると傷が深くなるため、どういう状態になったら事業を辞めるかを決めて、家族にそれを伝えるとよいでしょう。
家族は、最悪のケースでのダメージがどれくらいかを把握できるため、起業に同意し易くなるでしょう。
上記(2)について
どれくらいの期間収入が十分でない場合に再就職をするかを決めて、それを夫に伝えるとよいと考えます。先の見通しが立つことで、家族も起業に同意し易くなります。
上記(3)について
家族との時間が十分にとれなくなる場合には、人を採用する、業務の一部を外注する、事業を辞めてしまうということも必要になります。この様な措置をとることで、家族との時間を十分に確保できるように努めることを、家族に説明するとよいでしょう。
しかしながら、人を採用する話をすると、コストがかかるため、夫は嫌がるかもしれません。人の採用については、夫の様子を見ながら、説得材料に入れるとよいでしょう。
まとめ
家族への説得のために、起業のリスクを減らす方法や上手くいかなかった場合のカバー方法を提示することを提案しましたが、これらの方法を考えることは、起業を成功させるためにも必要なことです。
もし、これらの方法を採ることができず、家族に対して起業の説得が出来ない場合、今が起業のタイミングではなく雌伏の時なのかもしれません。来るべき時に備えて、起業の準備をされるとよいでしょう。
弁理士 竹口美穂