新型コロナの流行で生活が激変して3年が経とうとしています。ただ、最近では交通機関や宿泊施設も観光客やビジネス客で混雑するようになってきました。
ウィズコロナと言われますが、大規模な感染を防ぎつつ経済活動をコロナ前のように盛んにしていけると良いですね。
私は、近畿圏を中心に起業支援をしていますが、今回はちょっと両極端な起業の例をご紹介します。
まず、Aさんはお勤めになっていた会社で身につけた技術を使ってコンサルタント業で起業したいとのことでした。
ただ、ご自分一人が食べていければ十分なので、売上も最低限で良いし、逆に最低限の売上で済ませるためにお金は徹底的に使いたくないということでした。従業員を雇用する気もありませんし、できるだけ無料のサービスだけを利用して商売をしていきたいとのことでした。
次に、Bさんは定年後に研究活動を続け、ついに完成した技術で製品を作って販売したいとのことでした。ちょっとご高齢でもあり、工場を建てるとなると巨額の資金を調達する必要もあるため、その技術のライセンス料を売上とするビジネスモデルをご提案しました。
しかし、Bさんは自ら工場を建てることにしか興味がありません。そうしないと巨万の富は得られないとのことでした。
皆さんはどちらの商売に共感しますか。
商売の基本は近江商人の考え方にあると言われることがあります。売り手によし、買い手によし、世間によしの三方よしが商売の基本であると。
ご自分一人のためだけに商売したいということを否定するつもりはありません。でも三方よしの商売が、自分とともに取引先を豊かにし、やがて社会を豊かにし、その社会で暮らす人々全員を豊かにすると考えると起業支援も楽しくなります。
ちなみに、Bさんが巨万の富を欲する理由は、どんな子供でも無料で通える学校を作りたいからとのことでした。
公認会計士・税理士 伊藤弥生