こんにちは、クロスオーバーネットワークの植森春奈です。
やっと遅い梅雨入りを迎え、あっという間に2024年も下半期へ突入です。年をとればとるほど、1年が早く感じられるという実感をかみしめる今日この頃です。
さて、今回は【すぐ辞める新入社員問題】をテーマにしたいと思います。
近頃は「退職代行サービス」を利用して、会社を辞める若者も多いと耳にします。このサービスは、退職したい人物に代わって、辞職の意思を勤務先に伝えるものです。退職に伴う心理的苦痛や、それにかかる時間を割くくらいなら、多少のお金を払ってでも誰かに代行してほしい、そんな希望を叶えるサービスとして大いに繁盛しているそうです。まさに、タイパ・コスパ(タイムパフォーマンス・コストパフォーマンス)重視の若者のニーズを満たすビジネスですね。
一方、辞表を受け取った側の立場に立てば、そんな辞め方に釈然としない方も多いでしょう。せっかく時間とお金をかけて採用活動をし、手間暇かけて仕事を教えようとしたのに、すぐにやめていく新入社員。会社にとってはまさにタイパ・コスパ最悪です。私がその立場なら、せめて、辞職の挨拶ぐらいは誠意をもって自分でしなさいよと言いたくなりそうです。
しかし、辞めていった新入社員にとっても、せっかく入った会社を「すぐやめる」ことはタイパ・コスパの理にかないません。彼・彼女もできることならばその職場でしっかりとした職歴を積み重ねたかったはずです。そうできなかった理由はどこにあるのでしょうか?
もちろん、ケースバイケースではありますが、そこには新入社員側の「こんなはずじゃなかった」という思いがあるのではないかと感じます。仕事内容や待遇面で自分が考えていたものと、入社後の現実にギャップがある場合です。ですから、採用時には仕事内容や待遇について、包み隠さずしっかりと真実を伝え、可能な限りお互いのギャップを埋めておくことが重要なのではないかと考えます。
また、仕事の進め方や人間関係において悩みを一人で抱えることも、離職の大きな要素です。新入社員に対しては、こういった悩みを相談しやすい環境を整備することが重要です。昭和・平成の職場においては新入社員はほったらかしが当たり前でしたが、令和の新入社員は、悩みや問題によりそって、一緒に解決策や改善点を探ってくれる、「ケアと傾聴」を求めていると感じられます。
雇用主・上司にとっては頭の痛い話ばかりですが、みなさんも、「ケアと傾聴」で、お互いにとって働きやすい職場づくりを目指してくださいね。
司法書士・植森春奈